浜辺と私と小型カメラ

就職した頃ですから、もう30年前のことです。忙しかったのですが、仕事が早く終わることもありました。そんな時には必ず海を見に行きました。砂浜を歩いていると、その日の仕事で嫌だったことを引きずっていても、浜辺を歩くことですっかり忘れることができていました。

浜辺には色々なものが落ちていました。子供が使っていただろう小さなおもちゃや、鳥の形をした不思議な青いプラスチック製の小さな置物も、貝殻の隣に落ちていました。私はふと思いつきました。これらを記録しようと。その日、古い引出しをあけてみました。母が買っていたのであろう小さなカメラが出てきました。フィルムタイプの手のひらにすっぽり収まるカメラでした。○リンパ○ペンとロゴのはいいったそのカメラは、大いに役に立ったのです。今のポケットサイズのデジカメほどの大きさでした。私は砂浜に行く時は必ずそれをバッグに入れました。仕事帰り、まだ明るいうちに車を浜辺近くに止め、車に乗せたバッグの中からこのカメラを取出し、浜辺を歩きました。まだあの「青い鳥」がありました。私はレンズを向けてシャッターを切りました。いかにもチープな音でしたが、現像してみると結構いい画像がプリントできたのです。私はこのカメラで撮った写真をたくさん部屋の壁に飾りました。気持ちの良い潮騒まで聞こえて来そうでした。この経験から私はカメラが大好きになりました。今はこのような小型カメラはデジタルカメラです。便利なのですが、初めて私に取る喜びを感じさせてくれたフィルムタイプの小型カメラが懐かしくなるのです。

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